2015年3月1日日曜日

Full HD プロジェクタ導入記 (その1)

久しぶりのプロジェクタ熱.


近頃は大型液晶テレビが花盛りで,50inch,60inchも珍しくないご時世ですが,昔は大画面といえばプロジェクタでした.

かくいうワタシもひょんなことからプロジェクタを譲り受けたのをきっかけに,数年前にプロジェクタにのめり込んだことがあります.


プロジェクタと液晶テレビの何が違うかといえば,画面サイズ,設置性,そして映像の品質です.


プロジェクタは,映像を投影するプロジェクタだけではなく,映像が投射されるスクリーンも揃える必要があり,その2つを適切な距離だけ離して設置してやる必要があり,なおかつ,人間が快適に視聴できるポジションを用意せねばなりません. そのかわりに,テレビでは得られない反射光による柔らかな光と,大画面を得ることができます.

そんなわけで,プロジェクタによるホームシアターは,お家が狭い日本ではなかなか盛り上がらないわけですが,それでも数多くの人が工夫を重ねてリビングシアターを楽しんでいます.近頃ではFull HD解像度に対応した安価なプロジェクタが登場し,プロジェクタ市場は少しずつ盛り上がりを見せているともいえるでしょう.たぶん.

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さて,最近私が住んでいる家の最寄り駅にはシネコンがあり,映画好きな私は時々レイトショーを楽しんでいます.あるとき,映画館の大画面スクリーンと自宅の40inch液晶テレビとで同じような映像を見る機会がありました.
愕然としました.印象が全く違う.

理由を主観的に考えてみると,

1.やっぱり大画面は正義.没入感がある.実物大,ないしはそれ以上の大きさに映ること.
2.反射光であること.人間は普段,周囲の映像を反射光によって見ていることが多い.液晶テレビのような自発光ではなく,スクリーンからの反射光で観ることで,リアリティを感じられる.(たぶん)

ということで,プロジェクタ熱が再燃してしまった次第.

いてもたってもいられず,さりとて狭い我が家.とりあえず,コンパクトな機種を選ぼうということで,売れ筋のDLPプロジェクタ"BenQ W1070+"を買ってみました.ほぼA4サイズ.

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そもそも,プロジェクタには,ビジネスシーンのプレゼンテーションなどで使われるデータプロジェクタと,映像を観るためのビデオプロジェクタがあります.その中でも,家庭用ビデオプロジェクタにはいくつかのカテゴリがありまして,中でも低価格な製品となると大きく分けて次の3つに分類することができます.プロジェクタについては素人ですが,自分なりに調べた感じでざっくり比較すると以下の様な感じ.

  1. (単板式)DLPプロジェクタ.Digital Light Processingの略.DLPにも種類があるのですが,低価格帯のDLPプロジェクタは単板式のDLPプロジェクタという種類.コントラストが高く,安価でよく売れている.BenQやASUSが製品を出していますね.一方で,カラーブレーキングノイズという虹色のノイズが見えることがあるのが弱点.(レインボーノイズ,とも言われている).
  2. (透過型)液晶プロジェクタ.日本ではEpsonがたくさんの製品を出していますね.DLPと同じくらい安価な製品もあり,単板式DLPのようなカラーブレーキングノイズがでませんが,コントラストがDLPより低く,また,液晶格子が見えやすいのが難点.
  3. LCOSプロジェクタ.Liquid crystal on siliconの略.液晶プロジェクタの一つで,光を液晶に透過させる透過型液晶プロジェクタとは違い,反射型液晶を用いる.開口率が高く,画素を高精細にできるため格子模様が見えにくい.DLPや透過型液晶プロジェクタより一回りお高いが,映像品質は一段上といっていい.日本では,SonyやVictorがフルHDや4K解像度のLCOSプロジェクタを発売している.

私が何年も前に使っていたのはEpsonの透過型液晶プロジェクタでしたが,今回は最新の単板式DLPプロジェクタたるBenQ W1070+を買ってみたわけです.

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ちなみに,(透過型)液晶プロジェクタだと,このあたりが売れ筋でしょうね.安くてFull HD対応,さらにスクリーンもセット.
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さて,DLPプロジェクタ,その色味とコンパクトな筐体に期待して,届いた製品で60inchスクリーンに投影してみたわけですが...

残念ながら,近頃の高品質な液晶テレビの映像に見慣れてしまったためか.許容できないと感じてしまいました.

理由はいくつかありますが,フレーム間補完機能がないので映像がカクつくこと,それに,黒背景に白文字などのシーンで,単板式DLP特有のカラーブレーキングノイズが見えやすいこと.これが気になりだすと,つらい.

カラーブレーキングノイズは,人によっては全然気にならないそうなので,私もそうだといいなあと思いながらDLPプロジェクタに手を出してみたわけですが,残念,私の眼には合いませんでした.

DLPの色味は好きなんですけどね.

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そんなタイミングで,プロジェクタ専門店AVACを訪問し,いろいろなプロジェクタを比較することができました.候補として,Epson最上位の液晶プロジェクタ"Epson EH-TW8200"とLCOSプロジェクタ"Sony VPL-HW35ES"を検討していましたが,比較したところ,LCOSの描き出す画の虜になってしましました.同じFull HD解像度を出力していても,DLP,液晶,LCOS,その違いは確かにあるのです.(もちろん映像処理エンジンの好みもありますが)

ただし,LCOSなSonyプロジェクタの筐体は,Epsonの液晶プロジェクタの筐体よりかなり大きくて重く,設置が可能な位置も限られます.一方で,液晶式のEH-TW8200は筐体がコンパクトで,優秀なレンズシフト機能により設置性にも大きなアドバンテージがあります.プロジェクタにとって画質は大事ですが,設置性も極めて重要な要素です.これを軽視すると,プロジェクタのセットアップが面倒になったりして,結局プロジェクタを使わなくなってしまったりするものです.

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正直,EH-TW8200にもかなり心惹かれたのですが,今回は多少設置性が悪くても映像の好みを重視して,そのために部屋の模様替えもする覚悟で,LCOSなVPL-HW35ESを選びました.

ということで,BenQのDLPプロジェクタを売却し,Sonyで最も安いFull HD対応LCOSプロジェクタ VPL-HW35ESが我が家に届くことになります.

購入はお世話になったAVACさんで.アウトレット品をみつけたため,一般的な市場価格よりもかなり安く購入することが出来ました.色は白と黒がありますが,今回は白をチョイス.

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ちなみに,現在は4Kがブームですが,4Kプロジェクタはまだまだ価格が高く,おいそれと手を出せるものではありません.4Kコンテンツが揃わない中,実質的な4KプロジェクタのメリットはFull HD映像をアップコンバート(アプコン)できることにあると思いますが,100インチ超のスクリーンサイズで楽しむのでなければ,4Kプロジェクタによるアプコンの優位性はそこまで顕著ではありません.Full HDプロジェクタでもかなり満足できるレベルと思います.

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その点で,Full HDプロジェクタ最高レベルの民生用プロジェクタであるVPL-HW35ESは,ややマイナーな製品ではありますが,2015年の現時点では,コストパフォーマンスに優れるお得な製品であると思っています.

前振りが長くなったので,今回はここまで.次く.

Full HDプロジェクタ導入記(その2)
http://von-select.blogspot.jp/2015/04/full-hd-2.html

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