2013年に読んだ本の中で,ベスト10をご紹介.
独断と偏見に基づく今年のベストテンは,歴史物3,伝記物2,エッセイ2,ライトノベル1,SF小説1,科学物1となりました.思い返してみれば,2013年は,素晴らしい歴史・伝記物に出会うことができた年でした.
歴史物
塩野七生『海の都の物語』シリーズ・全6巻
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ローマ共和国・帝国を描いた塩野七生の大作『ローマ人の物語』を2013年はじめに読み終えた私が,続く『物語』として手にとったのがこの本でした.『海の都の物語』は,ローマ帝国末期,蛮族に攻められたローマ帝国の人々が,干潟に逃げ込むところから始まります.これこそが,その後1000年に渡る海洋国家ヴェネツィアの始まりでありました.今から30年以上前の本ですが,全く色褪せることのないヴェネツィアの歴史には,わくわくさせられます.ヴェネツィアは歴史上,東ローマ帝国(ビザンティン帝国)やオスマントルコなど数多くの大国と共に生き,そして,最後にはナポレオン・ボナパルトに侵略されて崩壊する.そのダイナミックな歴史に親しむことは,古代から近代へのヨーロッパ史の入門に最適といえるでしょう.『ローマ人の物語』を読んだ方には是非おすすめ.
菊池良生『神聖ローマ帝国』
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マイケル・ハワード著,奥村房夫・奥村大作 訳『ヨーロッパ史における戦争』
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ヨーロッパ史として,ローマ共和国・ローマ帝国・ビザンティン帝国・神聖ローマ帝国・ヴェネツィア共和国など,長寿を誇った国家のそれぞれを眺めていくうちに,ヨーロッパの歴史における戦争とはなんであったのか,もっと深く知りたくなりました.塩野七生は「戦争は,人間のあらゆる所業を際立たせる」と言っています.この本を読むと,歴史と戦争とは一体不可分であり,歴史や文化や伝統,そして言語すら形作ってきたものであることがよくわかります.文庫にしてはやや高いですが,ヨーロッパ史を知るなら,ぜひとも読んでおきたい1冊.
伝記物
百田尚樹『海賊とよばれた男』上下巻
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先日blogでも紹介しましたが,ガソリンスタンドでお馴染みの出光興産の創業者,出光佐三をモデルにした伝記.胆力のある男の生きざまに痺れます.
『大空のサムライ』上下巻
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世界的にも有名な,ゼロ戦のエースパイロット,坂井三郎の自伝.若き日の努力を重ねてパイロットになり,戦争を戦い,やがて消耗していく.その劇的な人生の日常が,筆者の飾らない筆致で描かれていく.坂井さんの努力の凄まじさ,その淡々とした潔い生き様に心を掴まれました.決して明るい話ではありませんが,かといって暗さは不思議とあまり感じられません.69年以上前の出来事ですが,まだわずか69年前,とも言えます.あの時代の空気を感じられる一冊.
エッセイ
林望『臨終力』
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渡辺隆次『山のごちそう』
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ライトノベル
犬村小六『とある飛空士への誓約』シリーズ
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SF小説
J. P. ホーガン『未来からのホットライン』
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サイエンス
吉田重人,岡ノ谷一夫『ハダカデバネズミ』
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これは最近読みましたが,ハダカデバネズミという楽しい生き物たちに迫る1冊.私は何年か前に,この著者やハダカデバネズミを見かける機会があり,その頃から気にはなっていたけど,でも実際どんないきものなのか,結局知らないままでした.が,最近『新世界より』というSF小説でハダカデバネズミがクローズアップ(?)されたのもあって,再び興味が出てきました.裸で出っ歯のネズミですが,その行動は実に社会的で面白いです.
『新世界より』も,今度読んでみたいですね.
以上,2013年に読んだ本ベスト10でした.かなり偏りがありますが,好きな本を選んだらそうなります.仕方ない.
『新世界より』も,今度読んでみたいですね.
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以上,2013年に読んだ本ベスト10でした.かなり偏りがありますが,好きな本を選んだらそうなります.仕方ない.
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