2014年1月1日水曜日

2013年に読んだ本のベスト10

2013年に読んだ本の中で,ベスト10をご紹介.

独断と偏見に基づく今年のベストテンは,歴史物3,伝記物2,エッセイ2,ライトノベル1,SF小説1,科学物1となりました.思い返してみれば,2013年は,素晴らしい歴史・伝記物に出会うことができた年でした.

歴史物

塩野七生『海の都の物語』シリーズ・全6巻


ローマ共和国・帝国を描いた塩野七生の大作『ローマ人の物語』を2013年はじめに読み終えた私が,続く『物語』として手にとったのがこの本でした.『海の都の物語』は,ローマ帝国末期,蛮族に攻められたローマ帝国の人々が,干潟に逃げ込むところから始まります.これこそが,その後1000年に渡る海洋国家ヴェネツィアの始まりでありました.今から30年以上前の本ですが,全く色褪せることのないヴェネツィアの歴史には,わくわくさせられます.ヴェネツィアは歴史上,東ローマ帝国(ビザンティン帝国)やオスマントルコなど数多くの大国と共に生き,そして,最後にはナポレオン・ボナパルトに侵略されて崩壊する.そのダイナミックな歴史に親しむことは,古代から近代へのヨーロッパ史の入門に最適といえるでしょう.『ローマ人の物語』を読んだ方には是非おすすめ.

菊池良生『神聖ローマ帝国』

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ローマ帝国崩壊後の地中海世界を描いたのが上述の『海の都の物語』であるならば,欧州大陸はどうであったのか.それを描いたのが『神聖ローマ帝国』です.中欧に850年間にわたって存在したローマの名を冠するこの帝国の名前には,不思議な魅力が感じられ,以前から興味を持っていました.なぜ,「ローマ」なのか.そして,かの有名なハプスブルク家とは,どういう関係なのか.筆者のユーモラスな解説が魅力的な良書です.こちらも,欧州の中世史を俯瞰するのに最適な入門書の一つといえるでしょう.


マイケル・ハワード著,奥村房夫・奥村大作 訳『ヨーロッパ史における戦争』

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ヨーロッパ史として,ローマ共和国・ローマ帝国・ビザンティン帝国・神聖ローマ帝国・ヴェネツィア共和国など,長寿を誇った国家のそれぞれを眺めていくうちに,ヨーロッパの歴史における戦争とはなんであったのか,もっと深く知りたくなりました.塩野七生は「戦争は,人間のあらゆる所業を際立たせる」と言っています.この本を読むと,歴史と戦争とは一体不可分であり,歴史や文化や伝統,そして言語すら形作ってきたものであることがよくわかります.文庫にしてはやや高いですが,ヨーロッパ史を知るなら,ぜひとも読んでおきたい1冊.

伝記物

百田尚樹『海賊とよばれた男』上下巻

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先日blogでも紹介しましたが,ガソリンスタンドでお馴染みの出光興産の創業者,出光佐三をモデルにした伝記.胆力のある男の生きざまに痺れます.


『大空のサムライ』上下巻

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世界的にも有名な,ゼロ戦のエースパイロット,坂井三郎の自伝.若き日の努力を重ねてパイロットになり,戦争を戦い,やがて消耗していく.その劇的な人生の日常が,筆者の飾らない筆致で描かれていく.坂井さんの努力の凄まじさ,その淡々とした潔い生き様に心を掴まれました.決して明るい話ではありませんが,かといって暗さは不思議とあまり感じられません.69年以上前の出来事ですが,まだわずか69年前,とも言えます.あの時代の空気を感じられる一冊.

エッセイ

林望『臨終力』

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一時期「◯◯力」というネーミングの新書が氾濫したことがありましたが,近年はようやく落ち着いた感があります.そんななかで出てきたのが『臨終力』.笑顔で最後の時を迎えるにはどうしたらいいか.ともすれば重くなりがちなこんなテーマも,飄々としたリンボウ先生こと林望さんにかかれば,明るく読みやすい良著になりました.人間,意外とあっという間に歳を取る.だからこそ,こういう話も読んでおきたいですね.


渡辺隆次『山のごちそう』

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こちらは,山菜にのめり込む渡辺さんの山菜エッセイ.読んだあとは,山菜採りに出かけたくなること請け合いです.私はインドア派なので採りには生きませんでしたが,山菜の漬物がより好きになり,blogの記事を書いてしまったくらいです.山菜を食べたくなる1冊.田舎に出かける前に,ぜひ読みたい.


ライトノベル

犬村小六『とある飛空士への誓約』シリーズ

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私はライトノベルはあまり読まないのですが,唯一ちゃんと読んでいるのが,犬村小六さんの『とある飛空士』シリーズ.空戦とロマンスのベストミックス.ライトノベルのよさである読みやすさだけでなく,ストーリーも魅力の小説です.面白くて引き込まれてあっという間に読了です.


SF小説

J. P. ホーガン『未来からのホットライン』

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こちらも,以前blogでご紹介しましたね.J.P.ホーガンの手によるタイムパラドックスものの名作SFです.最近コミカライズもされたようで,まだ読んだことないですが,小説が苦手な方は漫画版もいいのではないでしょうか.


サイエンス

吉田重人,岡ノ谷一夫『ハダカデバネズミ』

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これは最近読みましたが,ハダカデバネズミという楽しい生き物たちに迫る1冊.私は何年か前に,この著者やハダカデバネズミを見かける機会があり,その頃から気にはなっていたけど,でも実際どんないきものなのか,結局知らないままでした.が,最近『新世界より』というSF小説でハダカデバネズミがクローズアップ(?)されたのもあって,再び興味が出てきました.裸で出っ歯のネズミですが,その行動は実に社会的で面白いです.

『新世界より』も,今度読んでみたいですね.

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以上,2013年に読んだ本ベスト10でした.かなり偏りがありますが,好きな本を選んだらそうなります.仕方ない.

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